グループディスカッションの評価基準5点! ~役割別に気をつけたいポイントも徹底解説!~

選考の初めの段階でよく使われることも多いグループディスカッション。(以下GD)ディスカッションをしている間に合否が決まるGD選考は、面接よりもさらに評価が分かりにくいために、苦手意識を持っている人も多いのではないでしょうか。また、GDをするときに担当する役割によって、合否が決まるかもしれないと不安に思ったこともあるでしょう。

ですが、実はGDにも、明確な評価基準となるものがあります。
意識すれば直せる基本的なことが多いので、その基準を「理解した上で意識できているか」が大事になります。これができると、GDのチームメンバーや議題、自分が担う役割によって合否が左右されません。
なので、このコラムでは、GD選考で「人事が見ているポイント」と、実際にGDでどのように振舞うと良いか「役割別に気をつけるポイント」をご紹介します。

はじめに グループディスカッション(GD)選考って何??
1章:GDで人事が見ているポイント 
2章:役割別に気をつけたい良いポイント


 

はじめに グループディスカッション(GD)選考って何??

GD選考とは、グループで与えられた議題について話し合い、制限時間内に結論を出すことを求められている選考です。基本的なGDの流れとしては、下記のように進んでいきます。
『役割分担をする→前提条件の確認→話し合い→意見をまとめる→発表』
1グループは3~8人ほどで、制限時間は約30~60分間で行います。
お題とされるテーマにも何個か種類があり、答えがきまっていない「自由討論型」や、課題を解決する「課題解決型」など様々です。ただ、人事が見ているポイントは大きく変わらないので、次の章でそのポイントを見ていきましょう。


 

1章:GDで人事が見ているポイント


「議題となるテーマや、GDのメンバーは毎回変わるから、何を基準に評価しているのか分からない。」という方も多いでしょう。
実は人事は、次に挙げる①積極性②論理的思考力③協調性・コミュニケーション能力④傾聴力⑤発信力の5つの観点から評価しています。企業によって、5つのうちどの観点を重視するかは異なりますが、評価されるポイントを押さえておくと、選考の通過率も高くなるので見ていきましょう。

①積極性
見ているポイント:お題に対して、どのくらい主体的に取り組めているか。
気をつけるポイント:
《聞くとき》話を聞く姿勢に気をつける。しっかりと反応する。
《話すとき》みんなに聞こえる声ではきはき話す


グループで結論を導き出すという1つの目的に対して、どのくらいの熱量をもって取り組める人かを人事は見ています。ただし、たくさん発言するだけが積極性にはなりません。相手の話をしっかりと聞くことも、議論に参加しているかを判断する基準となっています。少し気をつければ変えられる部分なので、聞く姿勢・話す姿勢など基本的なことから頑張ってみましょう。


②論理的思考力
見られているポイント:筋道を立てて考えられているか。
気をつけるポイント:
意見や考えを伝えるときに、そう考えた理由(根拠)を示す。
チームで結論を導き出すために、何について考える必要があるかを考える。


論理的思考力とは、ある事柄を関連性のある要素ごとに整理して、筋道を立てて考える力です。人事はこの力の有無を判断するときに、「与えられた議題の本質的な課題を捉えられているか」、「意見を伝えるときに思いつきではなく、筋道を立てて考えられているか」を見ています。
なので、GDで話し合うお題が発表されたときに「与えられた議題に対して何を話し合う必要があるか」を考えることや、発言する際は「自分の意見の根拠」を伝えることを意識しましょう。


③協調性・コミュニケーション能力
見られているポイント:結論を導くために、チームのメンバーと力を合わせられているか。
気をつけるポイント:
自分と違う意見の人がいたときにも、否定的な言葉・態度をとらない。


協調性とは、同じ目標を達成するために、異なる考え方や意見を持つ人とでも力を合わせて頑張れる力です。たいてい、自分1人で完結する仕事はありません。会社には、自分とは異なる考え方を持つ様々な人がいるので、そのような人と協力できるかが大事になります。
なので、人事は、「チームで異なる考えの人がいたときにも歩み寄る姿勢を取っているか」や「チーム員が話しやすいように気を配れているか」を見ています。


④傾聴力
見られているポイント:人の話を客観的に聞くことができるか。
気をつけるポイント:
発言者が何を言いたいのか発言の意図を考える。
分からなければ、発言者に直接聞いてみる。 


傾聴力とは、話し手の意見を発せられた言葉だけで理解するのではなく、その意見の背景や意図まで考えて聞ける力です。人事はこの力を、議論中の「話の聞き方」や「発言内容」などから確認しようとしています。
グループのメンバーの話を聞くときは、この人は「なぜこのような意見になったのだろう」と、発言内容を客観的に聞くことを心がけてみましょう。また、発言の意図が分からないときがあれば、相手の意見と自分の解釈とのズレがないかを確認してみることもおすすめです。やりすぎると理解力が乏しいと評価されてしまいますが、相手の話をしっかり聞こうとしている姿勢を人事に伝えらえられます。


⑤発信力
見られているポイント:自分の意見を分かりやすく伝えられているか。
気をつけるポイント:
結論→根拠の順で話せているか。


発信力とは、自分の意見を伝わりやすい手順で、分かりやすい表現を使って話せる力です。意見を伝えるときは、結論→理由の順で話してみましょう。
人によって捉え方が異なる言葉をそのまま使うと分かりにくい表現になってしまいます。なので、自分が思っている前提は、チームのメンバーと共有できているかも考えて発言することを心掛けてみましょう。共有できていない場合は、その前提を先に話すことで誰にでも伝わりやすくなります。


 

2章:役割別に気をつけたいポイント


GDでは、司会・書記・タイムキーパーなど役割分担をして、議論を進めていきます。人事が見ているポイントは、役割によって変わってきます。
ただ、「どの役割になるか」で合否が決まるのではなく、「自分の役割を全うできているか」が評価の対象です。
この章では、「役割別に気をつけたいポイント」を見ていきましょう。

①司会
役割:議論がスムーズに進むように、議論の舵取りをする。
気をつけるポイント:
メンバーが話しやすいように、進行できているか。


議論をまとめる役回りであるため、自然と発言回数が多くなります。自分が目立つことを考えるよりも、チームが上手く議論しやすくなるにはどうしたら良いかを考える方が上手くいきます。
具体的には、以下のポイントを見ています。

・メンバー全員に話を振ることができているか。
・話している内容が逸れたときに、議論の方向性を修正できているか。
・時間内に結論を導けるように、意見をまとめられているか。



②書記
役割:議論している内容を分かりやすくまとめる。
気をつけるポイント:
議論中に出てくる様々な意見を上手に整理し、記録できているか。


この役割は議論を記録することが大事になります。ただ、メモを取ることに集中しすぎて発言できないとなると、これはこれでマイナス評価です。意見を出すことが難しい場合は、書記は議論を客観的に見れる立ち位置なので、議論がどのような方向に進んでいるかを伝えてみることもおすすめです。
さて、書記の基本的な仕事「メモを取る」ときには、下記の内容に気をつけてみましょう。

・話の要点をまとめ、前に出てきた意見との差異を整理して記録できているか。
・重要なことを書き洩らしていないか。
・言葉の定義が曖昧な内容に対して、確認した上で記録できているか。



③タイムキーパー
役割:議論の時間配分を提案する/時間の管理をする。
気をつけるポイント:
残り時間を伝える/残り時間をもとにチームで取るべき行動を伝える。

 
タイムキーパーになった人は、話し合いが始まる前にどのような時間配分で議論を進めるかを提案してみましょう。時間配分の仕方として、たとえば「前提を整理する時間・意見を出し合う時間・意見をまとめる時間・発表の準備をする時間」などに分けられます。自分の時間配分に自信がない場合は、「○○のように時間配分をしようと考えているのですが、どう思いますか」とチーム員の意見を聞いてみましょう。時間配分によって議論の進め方も変わってくるので、臆せず確認してみましょう。


④役割を持っていない人
気をつけるポイント:
議論にどのように貢献しようとしているか。


役割がないから、選考で落ちるということはありません。
役割を持っていれば、その役目をしっかりと果たさなければなりません。ですが、役目がないとその分、より議論内容に集中できます。アイデアを出すことや、他の人とは違った視点から考えられる人、サポートする方が自分の良さを出せる人には、おすすめの役割です。
たとえば、人事は下記のようなことに注目しています。

・みんなが話しやすいような雰囲気を作っている。
 (相槌を打つ・話している人の目をみるなど。)
・議論を活性化するために、アイデアをたくさん出す。
・議論内容に深みを出すために、違った視点からの意見を出す。
・役割がある人のサポートをする。
 (たとえば、議論している内容が逸れていた場合に伝える、様々な解釈ができる意見が出てきた場合は、出てきた意見の言葉の定義を確認する、司会がまとめることに精一杯になっている場合は一緒に意見を整理してみるなど)



GDの評価基準についての理解は深まったでしょうか。特に、このコラムの2章の「役割別に気をつけたいポイント」は、明日からでもすぐに実践できる内容となっています。GD選考の前に読み返してみると、人事の評価ポイントを意識して参加できるようになるので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事を書いた人

あさがくナビ編集部 もびー

大学時代は、国際系を専攻

趣味は、踊ること・食べることです。最近はサーフィンに興味があります。

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